« 現在ほど | メイン | 僕の発想法は »
眼鏡を額にずりあげ、服も顔も煤で真っ黒になった機関士と運転手が、釜焚きデッキの手すりに肘をついて、縁の赤くなった目で、目の下の男女のぼんやりとしたうごめきが横に滑ってゆくのを眺めていたが、ながい軋み音をたてて列車のつらなりが動かなくなると、それも動かなくなり、どの顔も彼らを見上げ、時に子供を腕に抱いたりして、列車が停止してだいぶたってからも、いつもの突進とちがって、一種の疑いぶかい茫然自失、疑いぶかい狼狽といった表情で、客車の茶色っぽい脇腹を凝視しつづけていた。
アカシア/クロード・シモン
日時: 2007年03月11日 01:16 | パーマリンク
(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)
名前:
メールアドレス:
URL:
この情報を登録しますか?
コメント: (スタイル用のHTMLタグが使えます)
2007年03月11日 01:16に投稿されたエントリーのページです。
ひとつ前の投稿は「現在ほど」です。
次の投稿は「僕の発想法は」です。
他にも多くのエントリーがあります。メインページやアーカイブページも見てください。